第7回哲学カフェ~対話型鑑賞が6月2日(土)に開催され、教職員、生徒、地域の方々など17名が参加する中、行なわれました。
この日は土曜日であり、他の自主的な学内サークル、教養・LA科授業などもあり、生徒の参加は少なかったですが、地域からの大人の参加が多くとても有意義な対話の時間となりました。
今回の哲学カフェは、対話型鑑賞と称して映画「ちいさな哲学者たち」を観たあと、その感想を通じて対話を深めました。
フランスで制作されたこの映画は、郊外にある幼稚園の3・4歳の園児と先生との「哲学」的なやり取りを淡々と映し出している映画でした。
幼稚園児たちが先生との対話のテーマは、大人の言葉で言えば「愛」や「貧富の格差」についてなど大人でも難しいテーマばかりでしたが、幼児たちの言葉のやり取りが、むしろ本質を突いているものでした。
参加者からは、「答えを押し付けずに幼児たちの意見を引き出している教師たちの一貫した姿が素晴らしい」「この幼稚園が郊外の経済格差や人種差別などがあるフランス社会の『影』の地域を舞台にしていると思われるが、そうした地域で何故『哲学』が必要なのか」などの疑問から、「日本社会では差別や人権に関わって、差別用語だけを言わないことだけが重視されている風潮はおかしい」などの意見までさまざまな切り口から意見が出されました。
KISの哲学カフェとしては、初めて対話型鑑賞という新しい手法も試みられました。
今後の展開が楽しみです。