これがKISのアクティブラーニング
問題解決能力・コミュニケーション能力はどうやって伸ばすのか
KISならではの仕組みがたくさん。
「問題解決能力」とは、初めて見る問題を解く力、それは社会生活において、初めて遭遇する場面に対応できる能力のこと。コミュニケーション能力とは、人々の円滑なコミュニケーションのために自分の感情・思考・行動をコントロールできる能力のこと。KISではこのようにとらえています。
毎日の授業が最大の学びの場
学校生活の大半は授業です。ですから、授業で問題解決能力とコミュニケーション能力を育てるためのアクティブラーニングを取り入れることが重要です。現在、KISで取り組んでいるのは「どのように教えるか(教員主体)」の教育から、「どのように学ぶか(生徒主体)」という生徒の学びの体験に焦点を当てた教育への転換。教員の役割も「教科書を分かりやすく教える」ことから、「生徒の学びを適切にコーディネート」するコーディネーター、ファシリテーターへと変わっていきます。コリア国際学園では日々の授業に生徒たちの調べ学習や発表、相互評価やディスカッションなどを取り入れています。また、KISの独自科目である「多文化共生論」、「時事討論」では、多文化社会化する世界の事例やタイムリーなテーマを取り上げて、社会とのつながりの中で問題解決のための方法を模索します。
思考するノート、KISノート
ノートは先生の板書を書き写すもの。多くの学校では常識かもしれません。しかし「書き写す」ことが目的ではなく、思考することが目的です。授業の内容を整理し、疑問を持ち、解決までの道筋をたてること。この過程が、クリティカルシンキング(批判的思考)であり、ロジカルシンキング(論理的思考)です。そこで「思考する」ことを意識したオリジナルノート、KISノートを開発しました。中等部1年から高等部1年までは全員がこのKISノートを使います。高等部2年からは自分なりの方法でノートを取るように工夫します。書き写して、要約して、疑問点と解決方法を書く。そして、そこから何を学んで、どう活用できるのか。「ノートをとる」こと自体が楽しくなります。
最新テクノロジーを学びに
日本は世界でもトップクラスの科学技術を誇るICT先進国でありながら、教育現場のICT化においては後進国であると言えます。使って起こる問題に備えるために、なかなか大胆に使うことが出来ません。そのせいで学校は普段使っているスマホやパソコンが「使えない」空間になっています。KISは「問題を起こさない」のではなく、「起こった問題に対処する力」を育てたいと考えます。スマホ、パソコン、タブレット、iPad、Chromebook、なんでも使います。授業や教育活動にGoogleが提供する教育用のグループウェアであるG suite for Educationを導入しています。生徒や教職員保護者はパソコンやスマホを使ってメールでやり取りし、カレンダーを使ってスケジュールを共有し、Googleドライブに教育資源を蓄積します。Classroomという機能を使って課題を受け取り、提出し、テストを受けます。
生徒たちの自治活動は実践の場
生徒会活動やクラスでの活動は問題解決の実践の場です。クラスや生徒全体に必要なことはなにか、解決しなければならない問題はなにかを考えて提案する。提案を吟味し、議論し、解決方法を考える。それを実践して振り返る。クラス会議や全校生集会の運営を通じて、リーダーシップやフォロワーシップ能力を育てます。生徒代表は保護者、教員、理事、教育関係者、地域住民で構成する教育評価諮問会議のメンバーになり、学校の運営方針にも関わります。
問題解決能力を育む体験活動
コリア国際学園の授業は、学校外の様々な活動と連携しています。たとえばコリア語の授業では、近隣の郡山小学校、豊川小学校との交流を通じて児童たちにコリア語学習の楽しさを伝えています。生徒が主体となって、交流の内容を考え、実践します。
2018年度からは立命館大学産業社会学部、龍安寺商店街が連携して「龍の道プロジェクト」を実施しています。大学生や社会人と一緒に商店街の活性化、外国人観光客誘致のための商品開発や多言語メニュー、コミュニケーションツールの作成に取り組んでいます。
KISの生徒が中心となって企画する哲学カフェは、年齢、職業、国籍など人々が違いを超えて集まり、交流する場です。最近のテーマは「進路と人生」、「なぜ○○をしなければならないの」、「お父さん、お母さん聞いてください!」など。外出が制限されていた4月には「新型コロナウィルスがもたらしたもの」を実施しました。全国から30人以上が集まり、オンラインならではの交流ができました。
また、地域の人たちを対象とした識字教室ではコリア国際学園の寮生が伝統的に講師を務めています。