高等部1年の李庚鎬君と都悠兆君の二人は、10月28日、29日、韓国・高麗大学で開催された「Molecular Frontiers Symposium 2013」に参加しました。
テーマは、「12人のヒーローと集う次世代の未来科学コンサート:科学の開拓時代―我々が築く未来」。同行事は、高校生の自然科学に対する好奇心を高めることを目的として、スウェーデン王立科学院の傘下機関であるMolecular Frontiers Foundation主催のもと、ノーベル賞の受賞地であるスウェーデン王立科学院で毎年開催されてきました。
今回、はじめて韓国・高麗大学で開催されることになりました。
今回の行事はノーベル化学賞や生理医学賞などを賞受した著名な科学者による講義に加えて、科学者との対話を通じて科学への興味を高めるよう工夫がなされていました。
行事中の講義や対話などはすべて英語で行なわれました。参加したKIS生徒たちは「悪戦苦闘」しながらも、大きな刺激を受けて帰国しました。
(以下、参加生徒の感想文)
〈感想文〉Molecular Frontier Symposiumに参加して
高等部1年 李 庚鎬
僕は10月27日(日)から10月30日(水)、同級生の都悠兆と共にMolecular Frontier Symposiumに参加するため、ソウルの高麗大学へ行きました。
初日、僕はつきそいがいないという不安と自分ならなんとかなるという自信をもって、関西の地を離れました。空港につき、韓国の空気を十分に体に浸透させ、地下鉄でホテルへ向かいました。
さて、いよいよ二日間に及ぶビッグイベントの幕開けです!朝早く、ホテルから団体バスで高麗大学へ向かいました。大学自体は建物などがものすごくカッコよく憧れました。
しかし、坂がきついというのが何より残念なことでした。高麗大学の仁村記念館のホールには、のべ400人の学生が集いました。進行はすべて英語で行われました。
満たされた会場の中、ノーベル賞受賞者や偉大な科学者たちが登場しました。講義やディスカッションをしていただいたのですが、内容自体は英語だったので、理解するのがとても難しかったです。
でも、科学者の方々がとても強い気持ちを持って訴えているというのは気迫でわかりました。
驚いたのは質疑応答の時間でした。僕は、400人もいる中でなかなか手をあげて質問する学生はいないだろうと予想していました。
しかし、その予想は瞬時に覆されました。質疑応答の時間に入った瞬間に、質問者の行列ができ、ひとりひとり論理的思考と科学に対する知識を持って、流暢な英語で科学者に質問をしていました。
一時間あったのですが、あっという間に時間はなくなり、行列は長くなるばかりでした。あげくのはてに司会者があせって、途中で“もうちょっと簡潔に!”とか“一人一回!”などと言って、止めざるを得ない状況がでした。
とても感心しました。自分のもつ科学に対する興味・知識や英語能力などのちっぽけさをしみじみ感じました。ショッキングでしたが、僕の向上心の引き金を引いてくれる機会となりました。
二日目は翻訳機を借りました。
韓国語で聞いたので理解できるはずだったのですが、話している内容自体がとても難しくて、依然として理解に困っていました。その中で、できるだけ科学者の発言した名言などを頑張ってメモしました。
多くの名言の中でも自分が一番印象に残ったのは、“Scientists need science and science needs you.”という科学の視点にたったフレーズです。科学がなければ科学者は存在できないし、科学者がいなければ科学は意味のないものとなってしまうのです。
これはまさに相利共生の関係にあると思います。我々は普段科学を単なる学問として箱に納めてしまいがちですが、科学とは我々が生活していく上で必要なものであり、社会においても必要不可欠のものであります。
僕の科学に対する意識も改まりました。非常に影響力の大きい一言でした。
こうしてイベントは終わり、大阪に戻りました。今は理系分野に関する意識も上がり授業外の勉強もするようになりました。また今回のイベントを通して韓国の大学へ進学するという進路も見えたので、成績を上げないといけないという危機感も生まれました。
文化祭期間ということで、非常にタフな状況だったのですが、参加できてとてもよかったです!感謝しています。ありがとうございました!!