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“海外研修”異考説的展開⑤-《Fiji編》

〜進化し続けなければ、
海外研修の意味はない!?〜

FIJI VISIT は、南半球時間、2013年3月29日から始まりました。
もっとネチャネチャした暑さをイメージしていたのですが、しかも、レイニーシーズン雨季の最中だったのですが、意外とスカッとした暑さとでも言うのでしょうか、なかなか快適軽装ライフを送れています。

てな、のんきなことは言ってられません。
現地の学校視察、転じて、“(KISとの)姉妹校(!?)さがし”です。
しかし、この日は、イースターホリデイで、学校は休校だったのですが、在東京Fiji大使館発、Fiji政府経由の特別依頼で、私達の訪問がかないました。
Sangam (SKM) Collegeへ向かいました。まず、校長先生のオフィスへ。
Fijiの学校は、全てそうなのですが、高温湿潤の気候が、学校の敷地、全面芝生状態の緑々の雰囲気に満ち充ちています。
SKMCは、Nadi国際空港から程近く、KISの研修先になった場合、足の便が良さそうです。

開放的な校舎群の、正門近く、階段を上がった所に校長室はありました。そこには、校長先生、つまり、Principalの、Mrs Anita Gounder先生が待っていてくれました。スラリと長身の、知的な理系の先生、それが、池田先生の、校長先生の初印象。
男性優位的なFiji社会とも聞きますので、Mrs Anita Gounder、よほど優秀で頭が切れるに違いない、と、ジェレミーと池田に、緊張が走ります。
しかし、話をしてみると、フレンドリーな方で、ジェレミーと池田の、KIS、ひいては、“越境人”理念の説明に、熱心に耳を傾けてくれます。特に、KISの“K”の部分で、校長が韓国人・副校長が日本人という部分にこそ、ある種象徴的に、“I”の部分の可能性を見出されたようでした。
その受け取り方に、Mrs Anita Gounder校長先生の許容力の大きさを見たような気がします。
KISに興味を持たれた所で、満を持して、『姉妹校』のことを出したのです。
しかし、Mrs Anita Gounder校長先生は、すばらしい教育者以前に、優秀な行政官でもありました。
校長という組織の長として、不要で無用のリップサービスは避け、政府の意向と方向性がまず第一で、第二に教育省Ministry of Educationの許可が必要だと。しかし、それさえクリアすれば、姉妹校提携には、とても関心があり、前向きに進めて行きたいとの、力強い言葉をもらいました。
その後、休暇中であるにも拘らず集まってくださった教頭先生以下先生方と懇談・歓談、教育が抱える国境を越えた“教師談義”に花咲かせました*´ω`*)!

そこでわかったことは、Fijiという、数百の島々を抱える共和国においては、中央集権的な政府の上意下達的傾向、大きな中央官庁の指導力、について。
これで、ますます、教育省Ministry of Education訪問の重要性が増してきました(^_^;)
次に向かったのは、Suva Grammar School。PrincipalのMr Waisake Vuli Ravatu校長先生との階段です。名門校との前評判に、身が引き締まります。
そこで、トラブル発生。Confirmedとの報に安心していたのですが、現場には届いておらず、我々のvisitが突然の訪問と映った校長先生は少々お冠(^_^;)そこで、登場は、International Network Coordinatorの肩書きを持つ、我らがジェレミー・ハード先生!
KISの特色、KISの使命、なぜ我々がFijiを訪問しているのか、を、熱っぽく語りかけます。
池田副校長も、KISの設立経緯と“越境人”理念をまくしたてます。
そして、最後の締めくくりは…「我々、KISは、平和の使者」であると
。国内的には、大震災の爪痕を抱え、対外的には、東西南北に領土問題を抱え、しかし、今、我々は、北半球から南半球へ、ともに歩む『友』を、探しに来ている、と。
Mr Waisake Vuli Ravatu校長先生も、やはり教育者でした。我々を図書館に誘い、教師同士(同志?〜笑〜)、教育論がドンドン広がっていきます。

話は、フィリピン研修にも及びました。英語集中講座に、現地の名門校通常授業の体験入学、スラム地域、台風・津波被害の視察、貧困地域へのホームステイ、貧困に関するワークショップ参加、少数山岳民族の村へ登山・ホームステイ、などなど。

Fijiで、KIS.の生徒を送り込み、何が可能であるか、忌憚のない意見が飛び交います。ジェレミー先生の見立てでは、現地の人々の英語使用率は、フィリピンよりもフィジーの方が高い、と。
概して、フィリピンの「米」語性に対し、フィジーの「英」語性。フィリピンの専門機関訪問の多さに比して、フィジーでは、体験型的展開が予想され、より現実問題(マイノリティー問題や環境問題等々)にリンクしている、と。
「ケーキとまんじゅうでは、どちらが甘いか」的な、フィリピン・フィジー、どちらも研修先として甲乙付つけ難し、が本音ですが、英語研修先としては、若干、Fiji有利な感じがします。
そして、学校カレンダーのサイクルと、雨季を考えると、研修先としてのFiji訪問は、もし実現するならば、春休みが良さそうです。
マンゴジュースとタロイモの澱粉で作ったお菓子を頂戴し、Suva Grammar Schoolを後にしました。

さあ、次は、Lelean Memorial Schoolへ。
Principal のMr Aisea Rarokoliwa校長先生が、待ってくれているはずです!

…つづく…

文章:池 田  大 介(副校長・進路指導部長)
写真:ジェレミー・ハード(英語科・平和学担当)