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東アジア・フォーラム準備セミナーへ参加

2012年4月、UNESCO‐ユネスコ(UN‐国際連合 教育科学文化機構)のフランス・パリ本部より、「KISがユネスコ・スクールに認定」の報が届きました。
ユネスコは、その目標として、「人権と平和」、「多文化共生」、「民主主義」、そして、「持続可能な開発」を掲げています。これは、まさに、KISが校是とする教育理念に重なるのです。

さて、来る2014年11月、ユネスコ本部・日本政府・文部科学省の主催で、33ヶ国の高校生が集まる「高校生ESD世界フォーラム(ESD:Education for Sustainable Development‐持続可能な開発のための教育)」が開催(岡山県)予定で、その一環として、まず大阪で「東アジアフォーラム」が実施されます。

このフォーラムは、高校生自身の手で運営を担い、日本全国のユネスコ・スクールに加盟する高校生が集結、韓国・中国の高校生を迎え、“持続可能な未来”を語り合い・議論し合う、まさに「高校生の・高校生による・高校生のための国際会議」なのです。

そして、その準備セミナー(計6回)が、先日の日曜日6月10日、大阪府立大学の中之島サテライトで開催され、KISからは、金蓮姫さん(KISチームリーダーとしてのとりまとめ・学校紹介のトップバッター、ご苦労様でした!)、鄭俊くん、姜瑜珍さん、姜瑜羅さん、朴苑善さんらが、嚴校長先生の陣頭指揮の下、池田(社会科)が引率、定期考査直前の忙殺スケジュールの中、参加してきました。

この5名のメンバーは、校内での応募に応え、課題の小論文(志望理由書)をクリアし選抜され、校内での決起ミーティングを経て集まったメンバーです。

フォーラム当日は、自己紹介、アイスブレイキングのためのゲーム(「あいこジャンケン」※後述)、ワークショップ「ブレインストーミング~国際会議を成功させる上で大切なこと」、そして、ディスカッションと、盛りだくさんの内容が進行していく中で、緊張しつつも・高まる期待、高まるやる気に・できるかどうかの不安。自らえらび・選抜された人間のみが呼吸できる、ある種の醍醐味的“精神の高揚感”とでも言うのでしょうか、そのピンと張り詰めた、まるで初夏の高原における早朝の空気にも似た、ワクワクを内在させつつも静厳としたアカデミックな雰囲気を体感してきました!

最後に、この第1回のフォーラムで印象に残ったことを紹介したいと思います。
フィリピンのユネスコ・スクールから紹介された、ある「ジャンケン」のお話。
ジャンケンとは、通常、グー・チョキ・パーという三つの分類を目的とするか、勝つか負けるかの便宜上の二分を目的とします。
“分類”と“勝ち負け”しかし、ここでのジャンケンは、「あいこジャンケン」という、ひたすら「あいこ」になること自体を目的とし、「あいこ」になるまでジャンケンを継続するというもの。
そこには“分類”も“勝ち負け”も存在しないのです。要するに、そこにあるものは…“共有”なのです。

学校での生活は、特別な行事を除いては、つまり、授業においては、個人の行動原理に即した、特に学習面におけるスキルにのみ依拠する場合が多いのですが、今回は、全てにおいて、瞬間瞬間、「共有」をキーワードに、他校との協力、役割部署との連携が、求められるのです。
フォーラム当日は、海外から多くのゲストを迎え、国際会議を運営していかなければなりません。しかも、周囲はunknownな人ばかり。指示も出なければ・指示をあおぐこともできない無援状態の可能性。確実に、ふだんの“KIS流(笑)”が通じないことは確か。
ここに、日常的に慣れ親しんだ“サービスを受ける”ことから隔絶されたしんどさがあり、“保護され外野から野次を飛ばすかのような発言”はタブーという、自己及び自分を含む集団の責任完結性があるのです。

かくもしんどい「共有」は、きっとKISの「越境人」思想につながることでしょう!
それは、山あり谷あり…
覚悟はいいですか、KIS代表5名諸君:鄭俊くん、姜瑜珍さん、金蓮姫さん、姜瑜羅さん、朴苑善さん。
精鋭たちよ!しんどさを自ら求め、始動せよ!
「ユネスコ・スクール始動」、その顛末や如何に(!)。

合掌 

池田大介こと千丈禅師(UNESCO School担当・社会科・進路指導部)