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劇作家・平田オリザ先生による特別講演を開催

劇作家・演出家の平田オリザ先生を招いた特別講演が、全校生徒が集参加する中、11月19日(木)に行われました。

平田先生は高校時代に学校を休学し、自転車で世界一周旅行を決行。
大学卒業後、劇団「青年団」を結成・主宰、こまばアゴラ劇場の支配人も務められています。
代表作に「青春ノート」「ソウル市民」三部作などがあり、岸田國士戯曲賞、読売演劇大賞、モンブラン国際文化賞などを受賞されています。KIS講演会の設立発起人の一人。

この日は「わかりあえないことから」をテーマに、グローバル化が進む中で、異文化間の人々とのコミュニケーション力とは何か、どうすればいいのかなどについて学びました。

豊富な事例を出しながら、スピード感あふれる話の展開に生徒や教員も終始興味津々の様子でした。

平田先生は飛行機の隣の座席の人にどんな時に声をかけるか、と生徒たちに問いかけます。、生徒たちは自然と話に引き込まれていきます。またエレベーターに乗り合わせた外国人にどのように対応するのかなど。アメリカ人は敵意を持っていないことを示すために話しかける、イギリスの上流階級の人は仲介する人がいない限り自分から話をすることがないことなど。

そこから背景にある文化の多様性を学ぶことの重要性、とくにコミュニケーション力は単に語学力ではなく、さまざまなコンテクスト(文脈)を読み取る力を育むことが重要であることを強調されました。
またリーダシップ論に話は発展し、成熟社会に入る中で「論理的に話ができる人も大切だが、論理的に話をできない人を理解する人と力量こそがこれから求められる」と語りました。

最後に、人はわかりあえないからこそ、そこを前提にわかりあえる努力、コミュニケーション力を磨いていくことが大切であり、フィンランドの教育を事例に出しながら、個々人の主張が違っていることは当たり前であり、それらをまとめていく合意形成能力を持つ人がフィンランドの学校では最大評価されると語りました。

講演終了後には質疑応答の時間も設けられ、参加したKIS生徒たちからも質問が途切れることなく出され、大人も子どもも多くの学びと充実した時間を過ごしました。