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体験学習-「リバティおおさか」で人権を学ぶ

2月14日、社会科今年度初めての体験学習をおこない、高等部3年生と中等部3年生が参加しました。

タイトなスケジュールでアクシデント続きながらも、11時30分、無事リバティおおさかに到着しました。
まずは昼食、腹ごしらえ。お手製弁当からおにぎり、サンドイッチ、食パン(!)にポテトチップス(?!)と、多彩な生徒の「お弁当」に思わぬ盛り上がりを見せました。

そして正午。学芸員の方のスターティングガイドを受けました。登場されたのは文公輝さん。政令指定都市で初めて公務員として採用された在日コリアンです。
今回取り上げたテーマには「在日コリアン」はありませんでしたが、コリア国際学園から来たということで、文さんにも、また生徒たちにも親近感が生まれたようでした。

文さんに展示室の構成テーマや見学の際の注意などを受けた後、いよいよ見学スタート。
展示室は3つのゾーンに分けられています。
1つ目は「いのち・輝き」、自分の命と家族を見つめ直すゾーンです。2つ目は「共に生きる・社会をつくる」、いくつもの人権や差別を見つめるゾーンです。
3つ目は「夢・未来」、将来の夢を考える、子どもたち向けのゾーンということでした。

リバティおおさかの展示コーナーはそれほど広くはありません。ただ歩くだけなら10分足らずで出口に着きます。しかし小学生にもわかってもらおうという工夫が随所にあります。
一次資料はもちろん展示されているのですが、絵や写真がふんだんに使われ、触ることができるものもあります。
文章は漢字交じりですが、これにはルビがふられています。体験コーナーも数種あり、アイヌや沖縄、朝鮮の民族衣装を着ることもできます。ボランティガイドの方も熱心に話をしてくれます。
また最後には証言の部屋もあり、ビデオ映像で体験を聞くことができます。

今回、展示コーナーをより意義深いものにしようと、生徒を「女性」「HIV/AIDS」「被差別部落」をそれぞれ担当するグループに分けました。
各グループには、リバティおおさかが発行しているワークシートを手直ししたものを配り、学芸員さんの解説を聞く時間を設けました。
これは何なのか、どんな意味を託されているのか、どんな体験をされてきたのか、などを読んだり聞いたりするだけでなく、書きとるようにしました。
みんな真剣にシャープペンを握り、時には相談しながら、……なかなか初めのゾーンを通過できません。
特に胎内体験の「生み直し」コーナーは男子にとても人気で、ボランティアガイドさんのお話を聞き、たくさん質問していました!
学芸員さんの解説は、やはりプロジェクターで絵や写真をふんだんに使ったもので、難しい内容であっても、記憶に残った何かがあったようです。

15時、帰りのバスの車内では、くたくたになったかと思いきや……行きに劣らぬ興奮状態でした。いったいこの体力はどこからくるんでしょう。
学校に着き、最後に高1の教室でまとめをおこないました。
グループごとに担当テーマを要約し、他グループの前で発表しました。
被差別民「河原者」のこと、「識字」のこと、「性的少数者」のこと、「デートDV」のこと、「AIDS」のこと、「メモリアルキルト」のこと、担当ではなかったためあまり見られなかった部分もあり、他グループの発表を熱心に聞いていました。

最後に池田先生に今回の人権をいくつも学んだ体験学習について締めていただき、生徒達の満足そうな表情で終わることができました。
有志による今回の体験学習の報告会が22日(金)の放課後にあります。
今回参加できなかった他学年にも、今回の話を聞いてもらおうと考えています。

水野友美(社会科教員)