KISの生徒・教員ら約50名が、夏休み前の最後の授業日となった7月21日(木)、6月に連携協定を結んだ京都造形芸術大学を訪問し、体験学習に参加しました。
この日、午前中はオープンスクールがあり、午後一番にKISをバスで出発した一行は、京都市左京区北白川にある同大学に着くや、大学の正面に掲げられた「歓迎 コリア国際学園」という大きな横断幕と横内敏人副学長らの出迎えに驚きとともに、大感激の様子でした。
授業に入る前に横内副学長があいさつに立ち、大学キャンパスの概要について説明され、特に朝鮮植民地時代に日本に留学し獄死した有名な抵抗詩人・尹東柱の石碑がキャンパス内にあること、また韓国からの留学生も多いことなどについて述べながら、芸術・文化は日本と朝鮮半島はもとより、アジアや世界の平和に貢献できる、と語りかけました。
その後、同大学情報デザイン学科の李尚宰准教授から「アニメーションと映像の表現について~映像資料を交えてのアートレクチャー~」をテーマに講義を受けました。
李先生は韓国から日本に留学した当時の個人史を語る一方で、自身の映像作品である「alian」「文句あるか」、また英米合作の「岸辺のふたり」というアニメーションを上映しながら授業を進めていきました。
生徒らは映像の持つ不思議な表現力と魅力を体感しました。
その後2グループに分かれ、400段の階段がありビル20階建に相当するという同大学内のキャンパスツアーに参加しました。
町工場にあるような大きな工房や大学院生の作品群が展示されているギャラリー、マンガ学科の授業などを見学させていただきました。
最後に、表現教育推進室の石山潤先生による「クリエイションの社会的意味~京都造形芸術大学の教育の取組みについて~」をテーマにした講義が行われました。
石山先生は同大学の学部・学科の一覧を示しながら、「芸術を通じて人と人との関係性を作る芸術的視点を持つことが重要である」点を強調されました。
また、同大学が展開している産学連携の一環としてリアルワークプロジェクトなどを紹介されました。
水都・大阪でのプロジェクト、ゲーム機の制作販売をめぐる各企業の戦略など、具体的で興味深い事例を引きながらの切れ味鋭い授業展開に、生徒らは引きつけられていきました。
これらの授業の根底には、「人は何のために勉強するのか」という生徒への真剣な問いかけがありました。生徒が自らのキャリアデザインを考えるうえで、とても貴重な機会となりました。
今回の体験学習に向けて労を惜しまず準備してくださった京都造形芸術大学の皆様に、心から感謝致します。