「〈自分史〉とアイデンティティ」をテーマにした教養・LA授業が、1月17日(月)、三木パンガヤン幸美さん(フィリピンと日本のダブル・大学1回生)と市川トーマス友基さん(大阪生まれのアメラジアン・社会人)を講師に招いて行なわれました。
三木パンガヤン幸美さん(19)は、小学校に入るまで無登録児として育った経験や日本の公立小・中・高校での人権教育を受ける中で、自分自身のアイデンティティについて悩み、考え、成長してきた自分史を真剣に、ときにはユーモアを交えながら中等部の生徒に語りかけました。
そして、「フィリピン人は国に帰れ」と言った友だちが在日フィリピン人であったエピソードを例に挙げながら、「どうしてそのような発言をしたか」考えてみようと生徒たちに問題を投げかけました。
次回(1月31日)のLA授業では、写真や年表を使って生徒各自が〈自分史〉を振り返える授業へと発展していきます。
高等部のLA授業では、市川トーマス友基さん(24)がホワイトボードに写真を貼りながら、〈自分史〉を語りました。
祖父が戦後大阪に駐屯していた米軍兵士。
祖母は日本人。
思春期から自分のアイデンティティについて考え始め、自分探しのために沖縄にあるアメラジアンスクールを訪問するなどの経験と思索について語りました。
「在日コリアンは日本社会との関係でいうとマイノリティだけれど、私たちのような存在との関係でいうとマジョリティだよ。
在日コリアンは在日外国人の中でいえば『ブランド』。
私たちのような存在も忘れないで」と最後に語りかけました。
KIS高等部の生徒からは、「『在日』という言葉が在日コリアンを指すものと無意識に思っていたが考えさせられました」などの意見も出されました。