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多様な体験を通じて学ぶ「生きる力」

KIS教育の特色Ⅱ 多様な体験を通じて学ぶ「生きる力」

「正解」を追い求める「キャッチアップ」型から 「問題」解決に向けた「フロントランナー」型の次世代育成へ

グローバル化と成熟社会が進むなか、多様な他者(年代・価値観・職種など)との出会いと学びを通じて、生徒自身の学意欲を引き出し、「たくましい創造力」を育成します。持続可能な社会の実現のために、環境、人権、平和などの諸課題をホリスティックな視点から考え、解決するためのESD(持続発展教育)を推進します。

KISならではの教育活動

コリア国際学園では通常の授業に加え、社会科の授業を中心に「多文化共生論」、「在日コリアン史」、「時事討論」などのKIS独自の授業を展開しています。 「多文化共生論」では、「文化とは何か」という大きなテーマから、環境問題、貧困問題、マイノリティー問題などを扱い、今日においての「共生」について学んでいます。「在日コリアン史」では、在日の歴史にとどまらず、日本とコリアの関わりを丁寧に学んでいきます。それによって、各自おかれた場所や状況から課題を見つけて、解決方法について考えを深めていく授業です。「時事討論」では、世界のタイムリーなテーマを扱い、世界とのつながりを積極的に見つけていきます。 KISの授業はグローバル社会しか経験のない生徒たちに必要な要素を取り入れた授業を展開しています。ゴールはただ、「日本から世界へ視野を広げる」、「多様な視点をもつこと」だけではありません。そのうえ、「いかに生きていくのか」をしっかり考えさせる授業を心がけています。

体験学習の実施

■学校外での多様な出会いと学びを演出

学習は教室の教科活動に完結するものではありません。学校を飛び出て様々な体験を積むことで、年齢相応の確固たる生きた知識を身に付けてもらいます。そのために、卒業生や社会諸団体と連係して多様な出会いの場を提供します。たとえば、コリア語科では、地域の学校である郡山小学校や豊川小学校との交流を通して、子どもたちにコリア語学習の楽しさを伝えてきました。生徒が主体となり、文字を教えたり、コリアの文化、遊びを伝えたりしていくうちに、身に着けたコリア語や文化に対する自信もあがっていきます。「学んで、理解して、教える」という過程を通して、言語学習の楽しさを覚えて、様々な場面での活躍にもつなげています。中等部3年生の修学旅行では、日本国内や東アジアの地域に足を運び、歴史的、文化的学びを実現しています。 今年から、立命館大学産業社会学部と竜安寺参道商店街、その二つの団体がコラボする「龍の道プロジェクト」にKISの生徒たちも参加します。大学生や社会人とともに商店街の活性化に携わり、社会の一人であることをぜひ実感してほしいです。

「哲学カフェ IN KIS」の実施

■年齢、職種、国籍などを越えて対等に話し合う場

生きていく上で生じるさまざまな問題について、日々生活する人々が話し合い考えるトークサロンです。毎月一回程度、放課後に生徒や教職員、学校外からも大学生や大学教員、メディア関係者などが集い、対等な立場で対話します。KISの生徒達は、積極的に討論に参加しています。今後は、英語やコリア語による哲学カフェも行われます。

テーマ
・上下関係とは何か、それは必要か ・学校は必要か、塾と何が違うのか ・映画「ちいさな哲学者たち」を鑑賞して想うこと  ・想いを伝えることって? ・「ゆるす」ってどういうこと ・10年後のKISを考える など

中等部「Liberal Arts」科 授業の展開

■アクティブラーニングに基づいた授業展開

隔週土曜日は「Liberal Arts」科の多様な授業でワクワクします。いつもの教科学習から離れ、生徒の興味関心に沿って、より体験的で、より協同的な学び=アクティブラーニングに基づいた学習が展開します。その成果は文化祭や内外のさまざまな場で発表されます。<2018年度設置科目>

科 目 講 師 内 容 等
コリア民族楽器 朴元・趙恵美 (グループチングドゥル) 韓国伝統打楽器であるケンガリ・チン・チャング・プクが奏でるサムルノリ。 仲間と呼吸を合わせ、力強いハーモニーを作り出します。
テコンドー 全 徹 寿 (武道家、テコンドー師範) 多彩な蹴り技が特徴のテコンドー(跆拳道)。身体を動かし、技を体験す ることで心を磨き、人と接するための礼儀を学んでいきます。
韓紙工芸 崔 弘 美(韓紙工芸講師、 コリア伝統工芸協会事務局長) 韓国伝統の紙で作る韓紙工芸。多様な韓紙の色、紋様で世界に一つだけの 作品を作り、伝統的な美しさの魅力に触れる事が出来ます。

特別授業の実施

■社会の第一線で活躍する講師による授業

大学・研究機関、民間企業、NPO / NGO、法律・文化・芸術分野などの第一線で活躍する方々を講師に招き、時局テーマや自らの仕事・経験などについて語っていただきます。生徒の世界観や視野を広げ、学ぶ意欲を高める貴重な機会となっています。

 

<過去特別授業の実例>

テーマ 講 師
Asian Highway Adventure イム・ミョンヒョン
(冒険家)
在日コリアンの起業家精神と私の歩み 太田明弘
(大阪偕星学園高校理事長)
 
わかりあえないことから 平田オリザ
(劇作家・演出家)
「あいうえお」からの司法試験 白承豪
(弁護士)
誰かが言って初めて知ることがある 石丸次郎
(アジアプレス・インターナショナル大阪事務所代表)
 
詩とは何か 金時鐘
(KIS学園長/詩人)
ヘイトスピーチと闘う意味について 李信恵
(フリーライター)
平和とは、そして越境人とは 脇坂紀行
(大阪大学特任教授)
ドキュメンタリー番組の製作について 豊島学恵
(関西テレビ放送ディレクター)
アメリカ外交と青少年への期待 パトリック・リネハン
(駐大阪神戸アメリカ合衆国総領事)
18歳の進路選択を考える 朴基浩
(NPO法人D×P共同代表)
落語/曲独楽 八光亭春輔(落語家)
やなぎ南玉(江戸曲独楽)
人生は「まがって、シャン!」 中村泰士
(作詞・作曲家)
南北コリアの統一に関する歴史と現状 丁世鉉
(韓国・元統一部長官/円光大学総長)
東日本大震災が問いかけるもの 渥美公秀
(大阪大学大学院教授)
文化、歴史を越えた組織形成 祖母井秀隆
(京都サンガFCゼネラルマネージャー)
波瀾万丈の人生を生きて 吉田潤喜
(米国・ヨシダグループ会長兼CEO)
国連人権高等弁務官の仕事 Kim Jung Rin
(国連人権高等弁務官事務所)
夢を持つ大切さ 金ジョンフン
(韓国国際協力団KOICA広報官)
MKの歩み 青木秀雄
(MK株式会社副会長)
阪急電車のマーケティング戦略 崔相鐡
(流通科学大学教授)
恐慌について 姜尚中
(東京大学大学院教授)

*役職は実施当時のもの