今年度の教養・Liberal Arts(LA)科授業が、4月18日から始まりました。
今年前期の授業では、「自己主導型学習法」(中等部、高等部1年生)、「平和学(対話の方法)ワークショップ」(中等部、高等部)、「哲学と私」(高等部2年生、3年生)の授業が行なわれます。
講師は、それぞれ嚴敞俊校長、奥本京子大阪女学院大学准教授、金泰明大阪経済法科大学教授らが担当します。
少人数教育の特徴を生かし、教員と生徒、また生徒間どうしの討論や質疑が活発に行われることでしょう。
金泰明先生による「哲学と私」と題した3回連続の授業の1回目の今回は「自分について考える」がテーマでした。
金泰明先生は,まず,「哲学(philosophy)」という言葉が「知(智)」を「愛する」ことを語源としているところから,自分にとって未知なものごと(自分自身について,社会について,世界について)を探求していくことが哲学の本義であること,特別な人の営みではなく誰でも日常的に行なっている「思想」する力が哲学であることを説明されました。
また,デカルトの哲学を紹介するなかで,自分自身から発した問いや考えを相手に言葉で伝えることに,哲学する人の重要なスタンスがあるということも紹介されました。
生徒たちは,難しいもの,自分からは縁遠いもの,といった印象を哲学に対して抱いていたようでした。
しかし,「無限と有限はどちらが大きい?」といった哲学の例題を一緒に考える対話式の授業形式や,「人間同士が共に生きていくためには,どういう条件が必要なのかを考える技術が哲学」「人間がよりよく生きていくのに役立たなければ哲学には意味がない」といった先生の主張は,生徒たちの哲学へのイメージを広げたのではないでしょうか。
金泰明先生の授業「哲学と私」は,「社会について考える」「世界について考える」とテーマを変えて,今後も行なわれます。